# 2026-02-15
I M P O R T A N T 思い出と花々を束ねた
視覚的な短さが目を引く短歌で、しかし、おおむね定型になっている。アルファベットをひとつずつ口に出すと暗号のような響きもある。
少ない言葉で多くのことを語れるのはすばらしい。その意味でこの短歌は理想的だと思う。
# 2026-02-15
夜にもっとも頼れる脚のリストからあなたが借りてくる青い馬
いつ見てもかっこよくて、こういう短歌を作りたいと思う。シンプルな語彙で世界を表現している。
初句七音が3+4で、「もっとも」という強いことばが強拍にあるのが気持ちいい。アウフタクトで演奏をはじめて、小節の頭に「もっとも」がくるような感じだ。
「リスト」という単語もいい。リストには機械的/暴力的な側面がある。Wikipediaの珍しい死の一覧に掲載されている人たちは、お互いの共通点を思うこともなかったはずだ。
しかしこの作中の「リスト」はネガティブなものではなさそうで、クールな雰囲気がある。
# 2026-02-15
そうしてわたしたちは偽物の指環を埋めた遠くの人にこれからわるいことが起こると知りながら
野村日魚子「百年後 嵐のように恋がしたいとあなたは言い 実際嵐になった すべてがこわれわたしたちはそれを見た」,p. 160
野村日魚子の短歌でよく思い出すもののひとつ。
遠くまでとどく力は魔術的だ。引力や電磁気力、放射線。この短歌にはそういった力のもついやらしさがよくあらわれていると思う。被害者だけでなく、加害者もそれに抵抗できない。
「そうして……」からはじまっていて、長いストーリーの結末とも思える。
倒置法の効果もあって一息で読みたくなった。書籍では、改行によって長方形に近くなるように文字が組まれている。